「生活しながら論文を書くというのは本当に大変なんです」とゼミ生の前で吐露したのは、博論を出し終えたばかりの30代男子学生、すでに結婚されている方でした。博論はすべてを放擲して集中するくらいの覚悟が必要なところですが、そうできないのが仕事や家庭のある子育て・介護世代ですよね。

先日、職場でも研究x子育てについて若手研究者の方とお話する機会がありました。常勤職に就くまでは、子どものいる研究者を支える制度が圧倒的に少ない点や、出産・育児で業績が一定期間途絶えることの不利益、子育てしていることを言いにくいと感じる場合もまだまだあることなど、さまざまな課題のあることが語られました。

私も仕事+子供のことがあるので、研究にかかりきりにはなれません。日中は時間がなく、時には出張も入る。宿題を見なくてはで、日々の忘れ物チェック、習い事の送迎や試合の応援、たまには遊びに連れて行かなくては…となると、なし崩し的にあれもこれもになってしまう。睡眠を削るのは心身にこたえるので、それだけは初めから却下です 笑

指導教授の退職に間に合うように論文を書くことが私のミッションでしたが、ついに果たせませんでした。資料を提供してくれた韓国の人たちのために書かなくてはならない責任があり、何よりやっぱり書きたいと思います。次の投稿では、その後の顛末をお話できるかなと思います。

博士課程在籍(L)